山の形を眺める旅館
天下の三名泉の一つとして知られる下呂温泉。その中心を流れる飛騨川沿いに古くから営まれている旅館の改修計画です。
多くの観光客でにぎわった昭和の時代から、コロナ禍をきっかけにがらりと変わってしまった社会情勢や観光客の嗜好に対して、改めてどんなおもてなしが必要なのか検討したプロジェクト。
客室は既存の広縁部分を外部化し、飛騨川の景色や深い緑のにおいを感じられるテラスデッキに変えています。仕上げには地産の桧を使い、手触りや心落ちつかせる香りも楽しめる空間としています。大浴場をあまり好まない海外からの訪問者にも露天の風呂の楽しさを感じられるよう、客室にも小さな露天風呂を設置しています。
大浴場は適切なソーシャルディスタンスを確保できるよう脱衣所や洗い場のサイズ感や動線を見直し、余裕を持って利用できるよう検討しています。
その他、全体にわたり段階的に改修を進めていく計画でしたが、諸事情によりアンビルドとなっています。