2018.03.29更新
非常勤講師をさせていただいている学校の生徒とともに、1泊2日の漆喰塗りワークショップを開催致しました。
築50年の古い民家のボロボロになった土壁を新たに漆喰で塗り直します。建物は外観こそくたびれてしまっていますが、飛騨の大工が贅沢な太さの柱梁を丁寧に組み上げた立派な木造民家です。
深夜に東京を車で出発し、日が昇る頃に作業スタート。
まずは床や柱梁が汚れないように養生テープ貼りから始めます。養生が終わったら、下地処理のシーラー液をローラー刷毛で塗っていきます。古い砂壁を固める目的と、そこからアクが浮いてこないようにするためのものです。下準備が終わったら早速漆喰をコテで塗っていきます。
最初は皆なれない作業に四苦八苦!見た目もボコボコでしたが、徐々に要領を掴んでうまく塗れるようになりました。私は漆喰を水練りしながらその様子を眺めていましたが、皆の動きに無駄が無くなっていく様は頼もしさすら感じさせてくれました。小学3年生になる女の子も一緒に塗りましたが、熱心に根気よく取り組んでいる姿は、同じ親として胸にせまるものがありました。
宿泊は当設計事務所が設計したうすずみの家。施主様のご厚意により茶室を寝床にさせていただきました。下呂温泉で疲れを癒やしたあとは暖炉に火をともしながらの酒盛り。施主も加わり、大いに盛り上がりました。
2日目は、残った壁を仕上げつつ和紙貼り体験もしました。もうチームワークばっちりです!
当事務所ではこういった施工を体験するイベントをよくやっています。予算の都合上、といった理由もあったりしますが、私自身が自分の手を動かしてものを作るのが好きなんです。こんなに楽しい体験をみなにも味わってもらえたら・・。
作業はとても大変ですし、仕上がりも職人さんにお任せしたほうが断然早くキレイにできるのですが、自分の手で作ったという充実感、喜び、そしていつまでも残るその記憶。そういうものが得られるかけがえのない体験だと思っています。
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